Pythonのリストは動的にサイズ変更されますが、特に大規模データセットでは、事前割り当てによってパフォーマンスを向上させることができます。この記事では、リストやその他のシーケンシャルデータ構造に対する効率的な事前割り当て手法を探ります。
目次
Pythonリストの事前割り当て
Pythonは他の言語のように事前にサイズを指定したリストを直接サポートしませんが、リスト内包表記や*
演算子を使用して効率的に作成できます。
方法1:リスト内包表記
同じ値で埋められた特定のサイズのリストを作成するのに最適です。
size = 10
my_list = [0] * size # 0で初期化された10個の要素のリスト
print(my_list) # 出力: [0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0]
my_list = [None] * size # Noneで初期化された10個の要素のリスト
print(my_list) # 出力: [None, None, None, None, None, None, None, None, None, None]
方法2:ジェネレータを使ったlist()
各要素に固有の値が必要なより複雑な初期化に柔軟性を与えます。
size = 5
my_list = list(range(size)) # [0, 1, 2, 3, 4] を作成
print(my_list)
my_list = list(i**2 for i in range(size)) # [0, 1, 4, 9, 16] を作成
print(my_list)
重要事項: 事前割り当ては主に、サイズ変更を最小限に抑えることで初期の要素追加を最適化します。初期サイズを超えて追加すると、動的なサイズ変更が依然としてトリガーされます。
NumPy配列の事前割り当て
NumPy配列は数値計算と大規模データセットに優れています。サイズはデータ型を直接指定できます。
import numpy as np
size = 10
my_array = np.zeros(size, dtype=int) # 0で初期化された10個の整数要素の配列
print(my_array)
my_array = np.empty(size, dtype=float) # 初期化されていない10個の浮動小数点要素の配列(注意して使用してください!)
print(my_array)
my_array = np.arange(size) # [0, 1, 2, ..., 9] の配列
print(my_array)
NumPyは、さまざまな初期値とデータ型を持つ配列を作成するためのさまざまな関数を提供し、数値演算の効率を大幅に向上させます。
array.array
を使った事前割り当て
array.array
モジュールは、同種のデータに対してコンパクトなストレージを提供し、データ型の指定が必要です。
import array
size = 5
my_array = array.array('i', [0] * size) # 0で初期化された5個の整数要素の配列
print(my_array)
'i'
は符号付き整数の型を指定します。他の型コードについては、ドキュメントを参照してください。
適切なデータ構造の選択
最適な選択肢(リスト、NumPy配列、array.array
)は、アプリケーションとデータによって異なります。NumPy配列は、パフォーマンス上の利点から、数値計算には一般的に推奨されます。単純で同種のデータの場合、array.array
はリストよりも効率的です。Pythonのリストは、動的なサイズ変更にもかかわらず、混合データ型を使用した汎用用途には依然として汎用性があります。